|
入梅の日、お前は、すっかり茂らせた青葉を、優しい微風の戯れに、小さく踊らせたり。ゆうつとも思える、雨の日も、青葉いっぱいの水映えを耀かし、緑色の苔を着飾り。つい、この間、緑や赤や紫色の実は、甘酸っぱさを辺りに漂わせ、野鳥を惹きつけて放さなかった。野鳥の多種の高いさえずりは、楽しさも放さない。夏の日は、短く茂みの中で、蝉の音も短かった。もう、お前には、秋が近づいて、虫の音も聞こえてきた。 |
ご意見ご感想は yashio@mui.biglobe.ne.jp |
Copyright © 2002-2023 Yashio.ALL Rights Reserved. |