●動物や人物に躍動する生命を「自然の単一性」

彫刻家　淀井 敏夫
文化勲章・文化功労者・日本芸術院会員・二科会常務理事

「海と鳥と少年」東京都世田谷区・世田谷美術館　若人が高く差し伸べた両手からは聖鳥が、群舞して舞い上がろうとしている。
野外彫刻は様々な顔の人々に、きっと希望を与えているに違いない。(coordinator 八塩)

● 年譜

• 1911 兵庫県朝来郡に生まれる。
• 1933 東京美術学校彫刻科・木彫部卒(31年・第12回帝展に「男立像」を出品）。35年第10回国画会展「仕事着の青年」を出品。36年第23回二科展「若き手工業者」を出品。
• 1942 第7回新制作派協会展「青年頭像」を出品。43年第6回文展「坐像」を出品。44年召集を受け入団。45年終戦。48年第33回二科展「老人胸像」を出品、二科会特待賞を受賞、以後毎回出品。
• 1954 東京藝術大学講師となる。秋季二科展「胸像」を出品。第39回二科展「坐像」を出品、二科会会員努力賞を受賞。60年サロン・ド・コンパレゾンと二科会の交換展「夏・波と少年と犬」（パリ国立近代美術館）を出品。
• 1965 第50回二科会「アラブの夜の森」「座」を出品。東京藝術大学教授となる。渡欧。66年二科評議員に就任。
• 1972 第１回平櫛田中賞を受賞、「第1回平櫛田中賞受賞記念 淀井敏夫展」開催（日本橋・高島屋）。73年第58回二科展「砂とロバと少年」「小さいキリン」で内閣総理大臣賞を受賞。
• 1977 「ローマの公園＜大＞」により日本芸術院賞を受賞。78年東京藝術大学を定年退官、名誉教授となる。
• 1979 二科会常務理事に就任。文化庁芸術家国内研修員選考委員となる。80年第1回高村光太郎大賞展審査選考委員をつとめる。
• 1982 日本芸術院会員となる。83年勲三等旭日中綬章を受章。
• 1985 「淀井敏夫展」兵庫県立近代美術館・姫路市立美術館で開催。第70回二科展「幼いキリン、堅い土」を出品。第70回記念二科回顧展企画委員をつとめる。
• 1994 文化功労者に顕彰される。 第79回二科会「羊の歌」を出品、「第1回平櫛田中賞受賞者 淀井敏夫展」が開催。
• 1996 宮中の歌会始の儀に出席、「淀井敏夫彫刻展」が開催。97年「彫刻家・淀井敏夫の世界展 溶け合う形・自然と人と」開催される（世田谷美術館）
• 2001 文化勲章を受章。