第 １１ 回 日展 「授賞作品」

日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書　
「日展特選授賞作品」
公益社団法人 日展

第 １１ 回 日展
日展特選賞

第１１回 日展「特選賞の授賞作品」'2024
第1科（日本画）、第2科（洋画）、第3科（彫刻）、第4科（工芸美術）、第5科（書） の各科から選抜2名の作品を掲載しています。
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第１科（日本画）　特選受賞者 10 名（内 2 名作品掲載）

・熱田 守・工藤 彩・稲田雅士・黒岩智里・笠川武史・前川和之・北川由希恵・俣田千尋・木村友彦・森 花

日展特選賞　日本画　《 時の訪問者 》
木村 友彦（岐阜）

　人間なのか人形なのか不思議な引力のある珍しい作品である。
きめ細かく埋め込まれた線と色のリズム、特にコスチュームの模様が美しく、
画面上に振られた砂子の金が画面を引き締め纏め上げられている。

日展特選賞　日本画　《 結びつき 》
前川 和之（大阪）

　 羊とその背景の空間表現により穏やかな空気が流れている。
描写力、技術力共に優れているが、何より色調の美しさによって、
気持良く、その場の空気を感じる作品で、秀作である。

第2科（洋画）　特選受賞者 10 名（内 2 名作品掲載）

・金築秀俊・福田次子・久保尚子・山内大介・佐藤 淳・山本佳子・関野智子・結城唯善・田辺康二・吉成浩昭

日展特選賞　洋画　《 アヴェ・マリア 》
佐藤 淳（千葉）

　卓上静物と背景の描写が違和感無く調和し、
柔らかい色調で描写力に優れ、
清々しく神聖で特選に相応しい作品である。

日展特選賞　洋画　《 青 嵐 》
関野 智子（岡山）

　希望や不安。
青春の心の中に吹き荒れる感情の嵐。
色彩とムーブメントが巧みである。
これからの日展でさらに活躍すべき逸材に期待する。

第3科（彫刻）　特選受賞者 6 名（内 2 名作品掲載）

・井上 智・竹内晋平・酒井 華・田原迫 華・志村ひろこ・宮地淑江

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日展特選賞　彫刻　《 テディベア 》
酒井 華（茨城）

　愛着のあるぬいぐるみに抱かれ、
心地よく眠る少女の姿に、新鮮な発想を感じる。
色や質感の表現にテラコッタの技法を生かしつつ、
大らかなフォルムと人物の細部の表現に造形の豊かさが感じられる優作である。

日展特選賞　彫刻　《 海へ 》
宮地淑江（東京）

　人体とコスチュームの一体感があり、
力みなく立つ女性の表現が巧みで心地よい。
題名から海の方を向く服の裾をつかむ空間には風を感じ、
服の色は海や空をも感じられて、静かに語る優作である。

日展特選賞　工芸美術 [陶]　《 象嵌彩　晩秋の夕暮れ 》
近藤 学（福島）

　　陶芸の世界では古くから伝わる技法に象嵌があります。
作者はこの技法を駆使して、
夕暮れ時に巣に帰って来た雀をモチーフにして詩情豊かな心象風景を作り上げています。
雀の囀りが聞こえてきそうな優品です。

日展特選賞　工芸美術 [陶]　《 始まり 》
冨岡 大資（岐阜）

　内面の中央の核から点は光となり、
受け継がれる命の如く、永遠の命の始まりを表現した本作。
技法的には串状の道具を用いて、一点一点を刺突する点刻文を施し、
黒と白の配色で文様を強調させて作品の存在感を創り出している。

日展特選賞　書　《 稲 妻 》
谷口成孝(東京)

　連綿・余白・墨色の美しい、風趣に富んだ、懐抱の広がりを感じる秀作。
行の揺らぎ、紙面の統一感も見事で、
刻意の中に「書」のもつ一回性の魅力が備わり、
豊かさと味わい、そして清涼感が見る者を魅了する。

日展特選賞　書　《 紅蓮の炎 》
赤澤 寧生（栃木）

　どっしり落ち着いた風に目を瞠る。
線の充実、文字造型の安定、
それらを通貫する呼吸、気力がしっとり紙面を押え、健康感が心地良い。
多墨部と少墨部のバランスが作品に奥行きをも生んだ様だ。

・作品受賞理由の批評は日展評です。
(陳列総点数 2,982点)

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