「アイ・エイ・アイ」Internationl Art Institute：IAI-coordinator 八塩護一>第34回日展「授賞作品」'2002

　第３４回　日展

　「授賞作品」

第３４回　日展

日展会員賞

日展会員賞　日本画　「母仔馬・夢」
吉村　年代　会員・68歳（京都府出身）

　この作家は、馬を主題に多くの作品を描いている。今回の作品も母馬と仔馬を乳白色の淡い調子で、ほのぼのとした夢を感じさせる佳品である。

日展会員賞　洋画　「めざめ」
小灘　一紀　会員・58歳（鳥取県出身）
(本名：一紀）

　日展の将来は若い世代の今後の成長と活躍にかかっている。意欲的な構成力を持ってめざめの題名通り若人の意識の底をさぐろうとする力作である。

日展会員賞　彫刻　「休める女　Ⅱ」大野　清　会員・69歳（愛知県出身）　硬質な質感表現の多い現代彫刻の中で、しなやかな軟らかい掌の触感そのままの作者のモデリングの特色ある作品には、独特な魅力と表現の意味がある。作者の柔軟な精神がよくあらわれている。

日展会員賞　工芸美術　「風の岬」
鈴木　治平　会員・75歳（千葉県出身）

　作者は幼年期、海辺を遊び場にして育ったという。潮の香、潮騒が「風の岬」の創作の基本となっている。本体を銅板で作り、燈台を表現した香炉の部分は銀で作られている。表面処理は緑青で、香炉部分はいぶし銀で着色されている。おおらかな作風が佳品を生み出した。

日展会員賞　書　「酒国長春有り」
杭迫　柏樹　会員・68歳（静岡県出身）
（本名：晴司）

大らかな字形、柔かく見える筆致だが強勁な芯がある。下部に広がりを見せる文字は、通常困難な構成だが巧みにさばいて、えも言われぬ雰囲気を醸し出し、長者の風格がある秀作である。

・作品論評は日展評。

他、特選・日本画10名・洋画10名・彫刻10名・工芸美術10名・書10名(陳列点数2,892)

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