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 改組 新 第 7 回 日展「授賞作品」

日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書 
「授賞作品」
公益社団法人 日展



改組 新 第 7 回日展
日展特選賞


改組 新 第7回 日展「特選賞の授賞作品」'2020
第1科(日本画)、第2科(洋画)、第3科(彫刻)、第4科(工芸美術)、第5科(書) の各科から選抜2名の作品を掲載しています。
・画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。


第1科(日本画) 特選受賞者10名(内2名作品掲載)
・天野澄子・石崎誠和・髙井弘明・立花大聖・田中達也・谷野剛史・辻野宗一・西坂省三・宮原 剛・行近壮之助

日展特選賞 日本画 《返信のないメール》
立花 大聖


 スマホを手にしたどこか虚ろげな表情の娘と背後に咲く花々と葉むら。
繊密な描写力だが、よく見るとそこには鳥の頭や馬、顔、
逆さになったウサギなどの断片的なイメージが潜む。
不可思議な謎を秘めた画面である。

立花 大聖《返信のないメール》

石崎 誠和《林 檎》

日展特選賞 日本画 《林 檎》
石崎 誠和


 初夏の林檎樹か、微かに未熟な果実が窺える。
魅力的な樹皮の表情と些か不器用にくねりつつも力強く伸び立つ様は、
観る者に応じたそれぞれの豊かな実りを想起させてくれる。



第2科(洋画) 特選受賞者10名(内2名作品掲載)
・池上わかな・池田 茂・吉川和典・佐藤京子・佐藤洋子・志水和司・武石英孝・本田年男・山本佳子・米澤玲子

日展特選賞 洋画 《悠久への想い》
池田 茂


 
見た瞬間に存在を感じる驚きがあり、
絵画の基本的な要素のひとつである三次元的空間が見事に表現されている。
細密に表現された、
艶やかな着物の若い女性を屏風を背景にした暗い空間の中から出現させている。

池田 茂《悠久への想い》

米澤 玲子《人形劇》

日展特選賞 洋画 《人形劇》
米澤 玲子


 作家は西洋の操り人形に惹かれ人形をテーマに作品を描いてきたが、
同じ題材でも変化し深められた。
今回は人物を中心に置き、青と赤の色彩の強い対比を使いながら、
美しく画面をまとめ、情感のある作品にしている。



第3科(彫刻) 特選受賞者8名(内2名作品掲載)
・秋田美鈴・奥森日向子・近藤哲夫・志萱州朗・重政信明・髙橋 忠・田中宏典・丹羽俊揮

・画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

日展特選賞 彫刻 《臥ゆ》
秋田 美鈴


 
寝そべりながら肢体を大きく反らした形態に、
のびやかさとしなやかさを感じる表現である。
日本の伝統的な乾漆技法を用い、
素材の美しさを十分に生かした優れた作品である。

秋田 美鈴《臥ゆ》

髙橋 忠《追 憶》

日展特選賞 彫刻 《追 憶》
髙橋 忠


 今までに思いを馳せながら、静かに立っている裸婦像である。
柔らかなタッチで全体をまとめ、
「優しさ」が、顔の表情、全身から表れた秀作である。
この作品から醸し出されている優しさを観賞してほしい。



第4科(工芸美術) 特選受賞者10名(内2名作品掲載)
・金井伸弥・近藤卓浪・近藤 学・齋藤卯乃・竹河いみ子・冨岡大資・繫昌孝二・藤藁 隆・松木光治・山口和子

日展特選賞 工芸美術 [陶] 《「志向」その先》
金井 伸弥


 相対する二つの方形は左右して素晴らしい緊張感を生み出し、
空間を支配している。
全体の黒と白金のラインを深い赤の上絵がぐっと引き締め、
彫刻的な陶体は、作者が追求する「志」を力強く語りかけてくる。

金井 伸弥《「志向」その先》

藤藁 隆《青の領域》

日展特選賞 工芸美術 [染] 《青の領域》
藤藁 隆


 作者は古くからの友禅の技法を駆使、
海の中を群れをなして回遊する魚群をモチーフにした作品である。
加賀友禅独特の糸目技法による線描、
ぼかし染により細やかに表現された背景のバランスが優れた作品である。



第5科(書) 特選受賞者10名(内2名作品掲載)
・石川青邨・川合玄鳳・川上鳴石・辻 敬齋・角田大壤・長井素軒・中村史朗・藤川翠香・牧野聖雲・山内香鶴

日展特選賞 書 《島崎藤村の詩》
川合 玄鳳


 
藤村の歌に触発された書者の感性が、熱い思いが、
文字の表情線の温もりに迸しりを見せ、
全体が明るく健康感に満ちている。
漢字にかなが美しく添い、親しみが感じられ、
三行の構成に見事な昻まりを見せた作。

川合 玄鳳《島崎藤村の詩》

中村 史朗《杜少陵詩》

日展特選賞 書 《杜少陵詩》
中村 史朗


 懐素や除渭の狂草風の作品を根底においた行草作品で、
行書を要所に配置して確かな骨格と強靭な線を意識して構成している。
後半に繰り広げる心情の高揚感と気の充実が見事で、
横作品の流動美を表現した秀作である。


・作品受賞理由の批評は日展評です。
(陳列総点数2,967)




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