日展会員賞　日本画　《双》
西田 眞人　会員・64歳（兵庫県出身）

　双樹がもたらした心象的な情景に現代の様相を重ねた作品である。
　濁りのない彩色による卓越した筆触の効果を高く評価した。

日展会員賞　洋画　《雪山と台地と谷間》
成田 禎介　会員・78歳（東京都出身）

　作者な長年にわたり細密でありながら雄大な風景を幻想的な絵画世界へと展開している。
　緻密さの中に夢のある世界をかもしだした秀作である。

日展会員賞　彫刻　《明日を呼ぶ鳥》
木代 喜司　会員・76歳（京都府出身）

　本作品は、二人の人物と小鳥の組み合わせによって平和な暮らしの風景を生み出している。 埴輪を連想させる穏やかな表情が印象的である。
　具象人物像によって人々の願いを的確に表わす技術の高さが評価される。

日展会員賞　工芸美術（漆）　《春のゆく》
井隼 慶人（本名：明義）　会員・74歳（京都府出身）

　植物を模様化し大胆な画面構成の中にバランスよく配置した作品は、作者の鋭敏な感性を感じさせる。
　染の技法も駆使し黒色を基本に美しい緑や赤などを破綻なく染められている。

日展会員賞　書　《四海兄弟》
河野 隆　会員・68歳（大分県出身）

　簡潔で平易な四字を見事な布置で表現した作である。
　上部の横画と、下部の縦画を中心とした難しい構成を見事に調和させ、古典的な様式の中に近代的な趣を示している。