野の草のようにもろく無防備でありながら、しかしこうした状況をたくましく生き抜こうとするひとりひとりの姿に目を向けます。 |
展覧会は終了しました。 |
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'2024 3_14 「第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きてる」 の記者会見、内覧会のご紹介です。 クリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
「第8回横浜トリエンナーレ 野草: いま、ここで生きている」 |
「第8回横浜トリエンナーレ 野草: いま、ここで生きている」 |
環境破壊や戦争、経済格差や不寛容――わたしたちの世界はこんにち多くの問題を抱えています。 |
「第8回横浜トリエンナーレ」 アーティスティック・ディレクター |
旧第一銀行横浜支店、黄金町バザール、BanKART Station + 周辺各所会場の記者内覧会風景 |
画像をクリックする会場:旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO と会場:BankART Station + 周辺各所の展示作品などが大きな画像でご覧いただけます。 |
'2024 3_14 「第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きてる」 横浜美術館、周辺各所会場 で行われたプレス内覧会のご紹介です。 |
会場: 旧第一銀行横浜支店、BanKART KAIKO、クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路 |
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SIDE CORE (結成年:2012、結成地:東京、活動拠点:東京) 《 construction giant 》 HDビデオ(カラー/サウンド) |
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バルコニーに設置されたスクリーンには、交通整理をする誘導員の姿が映し出されています。 ここ、旧第一銀行の目の前を走る 「栄本町線」 は、横浜の臨海部を結ぶ幹線道路です。 この大通りを巨人が交通整理しているイメージで、作品は制作されました。 わたしたちは普段、黙々と車両や人の流れを整理する誘導員を 「風景」 として見過ごしがちです。 SIDE CORE は、こうした誘導員達の姿を街に投影することで、働いている時であっても、遊んでいる時であっても、私たちの身体が街を豊かに変化させることを示します。 |
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ピェ・ピョ・タット・ニョ (1998-、出生地:ミャンマー、活動地:ヤンゴン) 《 わたしたちの生の物語 》 2024 年 金属、石膏、木、LEDライト |
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金属や植物、人工的な加工物がいりまじり、朽ちて崩壊していくようである一方、すべてがひとつになり、新しい生命体に変態したかのようにも見えます。 中に光る赤いライトは、作家の出身地ミャンマーで産出されるルビーを思わせます。 最高級品として高値で取引されるミャンマー産の天然ルビーは、その鮮やかな色から 「血」 にたとえられてきました。 犠牲と闘い、灰のように燃え尽きた跡、そしてそこに同時に宿った新しい可能性。 ピェ・ピョ・タット・ニョの彫刻は、虚無と萌芽、絶望と希望が同時に存在する姿を表しているようです。 |
会場: 黄金町バザール、BankART Station + 周辺各所(関内地区、みなとみらい 21地区、ヨコハマポートサイド周辺地区) |
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佐藤邦彦 《 Retouch 》 |
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横浜には、日本の近代の歩みを示す様々なモニュメントがある。 土地の歴史を語り市民に誇りを持たせてくれる一方で、今日注視する人は多くない。 そこで改めてモニュメントに注目し、 そこから歴史と現在、そして写真との関係を考えてみたい。 写真シリーズ Retouch は横浜にあるモニュメントを撮影し、画像加工で碑文を削除した物である。 モニュメントを言葉のない物体の写真とキャプションとして再構成している。 |
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柳 幸典 《 Ground Transposition, 1987/2016 》 |
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この土玉のプロジェクトは私の作家活動の原点であると同時にライフワーク的仕事と言える。 近年では、沖縄の辺野古の土と、ロサンゼルスの日系人強制収容所のあったマンザナールの砂漠の砂で作った二つの球体をロサンゼルスのギャラリーで展示した。 現在は韓国の離島に設計している湖に浮かぶ美術館(2023 年完成予定) に、現地の海の塩と干潟の泥で球体を作る計画が進行中である。 2016 年のバンカートの個展で作った本作品は、3・11 東北大震災の原子力発電所事故のために除染された土で作りたいと提案した。 実現は叶わなかったが、被災地をリサーチした際に持ち帰った一握りの土が込められている。 |
世界が徐々に抜け出し、再出発し、つながりを取り戻した時期である。 第8回横浜トリエンナーレの準備は、この世界的な復興の一環であり、
現在世界中で開催されている約 250 のビェンナーレやトリエンナーレの中で、新たなスタンダードを確立し、差別化を図るという志を持っていた。 この野心的で勇気ある取り組みは、希望の光を放っている。
この光は、パンデミック、気候変動、保守的ナショナリズムと権威主義への広範囲な転倒、ウクライナにおけるロシアの戦争、民衆意識における陰謀論の台頭、その他多くの逆境がもたらした荒廃、絶望、そして深い危機感を背景に放たれている。
私たちは、謙虚なヒューマニズム、勇気、回復力、信仰、連帯を語る展覧会のテーマを探すことになった。 |
このタイトルは、中国の作家魯迅(1881-1936)のアンソロジー 『野 草』 からとられたもので、中国史の激動期である 1924 年から 1926 年にかけて書かれた。 23 篇のエッセイには、彼が直面した個人的、社会的現実が書かれている。
魯迅にとって最大の危機感と敗北感は、1911 年の辛亥革命に由来する。 辛亥革命は、古い秩序を象徴する清朝政府を打倒した。 しかし、その代わりに形成された新秩序は、社会に根本的な変化をもたらさなかった。
彼はすぐに、希望ではなく絶望を自分の人生、仕事、思想の出発点とするという考えを受け入れた。 同時に、彼はこの完全既存の状況に反抗する特異な孤高の個人であり同時に世界の動きに注意を払い続け、その中で個人と人間の運命を思索する思想家でもあった。
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これらの哲学的命題は抽象的なものではなく、経験の世界に生き生きと存在し、経験そのものなのである。 |
第8回横浜トリエンナーレ アーティスティック・ディレクター リウ・ディン(劉 鼎)/キャロル・インホワ・ルー(慮迎華) 英文レポートより抜粋 |
参考資料:Press Release、プレス資料、ガイドブック、記者会見資料、展示パネル他。 |
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