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「大地の芸術祭」
基本理念「人間は自然に内包される」
地球環境時代における地域と自然、それに包まれた人の生のあり方を見つめなおすという意味でもあります。

大地の芸術祭総合ディレクター : 北川フラム



第四回 大地の芸術祭
―越後妻有アートトリエンナーレ2009―

2000年からスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、三年毎に開催される現代アートの祭典です。アートは土地に流れる時間を表出させ、人と人、人と土地をつなぎ、地域・世代・ジャンルを越えた協働を生みました。里山の美しさを際立たせ、そこに積層した人間の時間を浮き上がらせる作品を巡りながら、訪れた人々は五感を解放し、生の素晴らしさを全身に蘇らせます。

会期:2009年 7/26(日)〜9/13(日) 展覧会は終了しました。
会場:越後妻有地域(十日町市、津南町)760Ku

越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)は新潟県南東部に位置し、東京から電車で2時間の距離にある、日本有数の豪雪地帯です。面積760ku、東京23区より広い地域に人口約75,000人、豊かな自然に包まれている越後妻有の生活=里山は、人間本来の生に対する視座を見つめなおし、近代的パラダイムを変革するきっかけとなるうるものです。そこから「人間は自然に内包される」という基本理念が生まれ、この理念がすべてのプログラムに貫かれています。人間と自然がどうかかわっていくかを示すようなモデル地域となることを目指して、越後妻有の地域づくりは進められてきました。 2000年からはじまった「大地の芸術祭」によって、約50の国と地域のネットーワークがうまれ、地域・世代・ジャンルを超えた人が出会い、協働する場所として生まれ変わろうとしています。地域の農業を拠り所とした生活に世界の先端芸術が関わり、多様な人々にとっての心の故郷になろうとしています。


大地の芸術祭は第四回目を迎え、新しい局面に入ります。

地域と都市、アーティストと里山、若者とお年寄りの交流と協働の中から生まれた田んぼや空家、廃校での作品は、訪れた人々に農業を通して大地と関わってきた私たちの祖先の営みを伝え、お爺ちゃん、お婆ちゃんの笑顔が嬉しい妻有として多くの人々に共感を与えてくれました。
棚田オーナーや産地直販を始め、その土地ならではのおいしいコシヒカリや山野草の料理は固有の時間を浮かび上がらせ、地域の人々と応援する人々の活動に力を与え続けてくれます。
ひとつの希望の土地として、アーティストはもちろん、多くの外国の地域活動組織、大学が関わり出しました。地域に育まれたパフォーマンス、音楽、美術が集う場所として有妻は動いています。すでにそこにあるものに人間の活動が加わり、地域が元気になりたい。
大地の芸術祭にいらして下さい。

総合プロデューサー 福武總一郎
総合ディレクター 北川フラム


第四回展の主なプロジェクト
1.廃校プロジェクト
少子高齢化の進む越後妻有では、地域住民の心の拠り所であった学校が次々と閉校しています。
一方、国では、国庫補助金返還制度を見直すなど、廃校の活用を地域で取り組むべき課題としています。地域内の約10校の廃校を活用し、アーティストや大学、専門家の力を得て美術館、宿泊所、大学の拠点として生まれ変わらせ、地域間交流の拠点、地域の雇用の場に再生していくことを目指します。


2.空家プロジェクト
第3回では、地域文化の結晶ともいえる民家を大きなテーマに、人が去った後に残された空家をアーティスト、建築家によってよみがえらせました。場を読み込んだアーティストの提案に、建築家が民家の骨格を新しい空間に読みかえて応える、こうして完成した空家プロジェクト作品は、現在もレストラン、農家民宿など地域の拠点として活用されています。第四回展においても、オーナーを募集しながら新たな空家の再生に取り組みます。

3.野外アート
田んぼ、集落の軒先、森、空き地、道端…と里山をめぐる道中、あちらこちらでアートと出会います。その数、約350(屋外作品を含む)。マップを片手に、まさに宝探しの旅。アートが道しるべとなり、里山へと誘います。

4.越後妻有のイベント
世界の集落や村にはそれぞれに表情豊かな芸能が古くから存在してきました。グローバリズムが進む中、地域の特色ある芸能が失われつつあります。こんな時代だからこそ、このような地域色と個性あふれる芸能を紹介することが必要だと、大地の芸術際は考えます。

5.映画プロジェクト
第四回展は映画のプロジェクトが登場します。「しゃったぁず・4」は、潰れかけた酒屋と、問題が山積みの商店街。さびれた町にくらす人々の未来への物語。(オール十日町ロケ、4/3-16撮影)ジャン=ミッシェル・アルベローラは、5軒の小屋丸集落の営みを2・3か月に1度来日して取材・撮影し、白黒映画を制作中。

6.北東アジア芸術村
集落の長期的な地域計画に、アートの持つ力を活用しようという動きが始まります。津南町上野集落を中心に、「北東アジア芸術村構想」は、蔡國強、金九漢など作品の残る地域で、北東アジアのアーティストが滞在しながら住民と作品を制作し、北東アジアの国々や諸機関、在日アーティストと長期的なつながりをつくっていこうとする構想です。

7.妻有焼
縄文時代中期の火焔型土器が多数出土し国宝に指定される十日町市において、3000年の長きにわたり途絶えていた「やきもの」を再興させ、地域に再び希望の火を燈す試みとして始まった「妻有焼プロジェクト」。茶器、皿、酒器といった従来も型にとらわれず、ゼロベースで土と向き合い、あらゆる観点から土の可能性を引き出すことによって、、現代最高のやきものを誕生させたいと願っています。

8.まつだい農舞台
まつだい「農舞台」は旧松代町が拠って立つべき農業の展望をつくるべく、2003年に設立されました。これまで3回の大地の芸術祭の開催によって、作品が集中して展示され、いわゆる大地の芸術祭センターとしてショールームの機能も担っています。2009年夏のまつだい郷土資料館の新たな加入に伴い、、従来の芸術という観点に加えて、民俗、科学の視点を導入した農業のあり方を構想していきます。現在のいわゆる限界集落論に象徴される地域・農村観に対峙し、いわゆる限界といわれる地域に寄り添い、こうした地域こそが未来を切り開く取り組みを実践していきます。


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廃校プロジェクト 越後妻有はアートの力で13の廃校を再生しようと取り組んでいます。

《鉢+田島征三 絵本と木の実の美術館》田島 征三

田島 征三 (日本)
「鉢+田島征三 絵本と木の実の美術館」 
(注:2009 ドローイング)
3年前に閉校になった真田小学校に現代日本を代表する絵本作家である田島征三が、学校全体を絵本の空間に見立て、校舎まるごと田島征三の絵の本の世界、カフェ、ワークショップなど様々な活動が展開されます。
その他旧枯木又小は京都精華大学、旧仙田小は東京藝術大学を中心とした学生や先生による展示やワークショップ、旧赤倉小・旧東下組小は教室をギャラリーに複数のアーティストによるインスタレーション、旧飛渡第二小の体育館では向井朋子によるインスタレーション、旧清水小は川俣正による情報センター、旧東川小「最後の教室」はクリスチャン・ボルタンスキーの心臓の音を録音するプロジェクトを展開します。


空家プロジェクト 空家は地域の歴史・文化・生活の結晶。アーティストの創造力をかき立ててやみません。

《もうひとつの特異点》アントニ・ゴームニー

アントニ・ゴームニー (イギリス)
「もうひとつの特異点」 
(注:2009 参考作品)
© Courtesy of the artist. Galleri Andersson and Jay Jopling/White Cube. London.

建物の外観と内部のレイアウトを尊重しつつ、内壁、障子、家のもともとの歴史的核に後年付け加えられたものを順応させ、露わになった内部の骨格全体に、”Another Singularity”(もうひとつの特異点)の放射状の曲線が縫うように広がる。建物は多くの壁が撤去され、直角に交わる梁や柱の中を放射状に広がるぴんとはった絹の糸によって和らげられる。この構造の中を、外部の自然光が差し込んでくる。


《静寂あるいは喧騒の中で》クロード・レヴェック

クロード・レヴェック (フランス)
「静寂あるいは喧騒の中で」 
(注:2009 ドローイング)
© Claude Lévêque ADAGP 2009

今年のヴェネツィア・ビエンナーレのフランス館代表作家。山奥の空き家に、家に残されたものや光と音を用いて、集合的記憶を想起させるような空間をインスタレーションする。


野外アート 棚田、森、山、川、集落…広大な里山を舞台に、350点以上の作品が展開する。

《リバース・シティ》パスカル・マルティン・タイユー

パスカル・マルティン・タイユー (カメルーン)
「リバース・シティ」 
(注:2009 参考作品)
ヴェネツィアビエンナーレなど国際展で活躍中のカメルーン出身、ベルギー在住作家。鉛筆と削られた木を無数に取り付けた高さ5メートルの巨大立体作品。


《花咲ける妻有》草間 彌生

草間 彌生 (日本)
「花咲ける妻有」 
(注:2003に制作 恒久設置作品)
Photo:ANZAï
水玉の描かれた巨大な花のオブジェが、松代駅に降り立つ人々を迎える。豪雪の中、たくましく色鮮やかに咲き誇る花。


越後妻有のイベント イベントも盛りたくさん!

《カンボジア、ぼくらの村で》サーカスシアター

サーカスシアター (カンボジア)
「カンボジア、ぼくらの村で」 (注:2009 公式イベント)
長い内戦、地雷被害、ポルポト政権独裁の傷あとからようやく立ち直りつつあるカンボジアで、サーカスを通して若者たちに生きる希望と活力与えようと活動しているNGOファー・ボンルー・セルパク。本場フランスの協力により、カンボジアの民族色あふれる音楽やダンスを織り交ぜた全く新しい解釈のサーカスを生き生きと演じ、世界で喝采を浴びています。


北東アジア芸術村 北東アジアのアーティストが住民と協働し、ながら滞在制作や公募展を行います。

《0121-1110=109061》李在孝(イ・ジェヒョ)

李在孝(イ・ジェヒョ) (韓国)
「0121-1110=109061」 
(注:2009 ドローイング)
風景の中に現われた3つの球体、近寄っていくと、丸太を組合わせた造形であることに気づく。自然の素材は時を経て変化し、作品が内包する精神性や周囲との関係性にも影響をもたらす。


主催
参加アーティストー
総作品数

大地の芸術祭実行委員会
:世界から40の国と地域のアーティスト
:約370点(うち新作200組)


お問い合わせ
大地の芸術祭実行委員会事務局(十日町市観光交流課芸術祭推進室)
〒948-0082 新潟県十日町市本町2丁目十日町市本町分庁舎
tel. 025-757-2637/Fax. 025-757-2285 info@echigo-tsumari.jp


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